効果的に学習できるラダーシリーズの使い方
ラダーシリーズは、英語の難易度に応じて5段階のレベルに分かれた多読本であり、
多くの人が英語力を上げるために活用しています。
しかし、実際に活用しようとすると
どのような使い方をすれば、最大の効果が得られるんだろう?
どのような本を選べば良いんだろう?
こういった疑問が湧いてくることがあります。
そこで、この記事ではラダーシリーズを使いこなすためのヒントを解説していきます。
私はこれまでラダーシリーズを含めた多読本を約30冊読んでおり、これによってTOEICを350点→710点と伸ばしているため、再現性はあるはずです。
最後まで読めば、ラダーシリーズの多読で効率的に英語力アップができるようになりますよ。
- ラダーシリーズの本の選び方
- ラダーシリーズの本の読み方
- 多読を習慣にするやり方
ラダーシリーズの概要については「ラダーシリーズの魅力に迫る!楽しめる英語多読の秘訣」で解説しています
ラダーシリーズを使いこなすための基本
ラダーシリーズを使いこなすためには、まずラダーシリーズの基本について知っておく必要があります。
ラダーシリーズには中学英語レベルから英検準1級のレベルまで、5段階のレベルがあります。
この5段階のレベルを使って、はしご(ラダー)を登っていくように1段ずつ英語を上達していくことができるのがラダーシリーズです。
しかし、自分がどのレベルにいるかを知らなければスタートできないので、
まずは自分のレベルを知ることが大事です。
また、多読は1冊読んだだけですぐに英語力が上がるといったものではないので、
長く続ける必要があります(10万語くらい読むと、徐々に効果が表れます)。
長く続けるために、自分が面白そうと思う本を読んでモチベーションを高めることも重要になるでしょう。
ラダーシリーズの本の選び方
本の選び方としては、以下の3つの基準があります。
- その本は面白そうか?
- その本は自分のレベルにあっているか?
- その本の物語のあらすじを知っているか?
その本は面白そうか?
1つ目の基準は「その本は面白そうか?」です。
なぜかというと、多読を続けるためには楽しく読める本である必要があるからです。
例えば、歴史嫌いの人が歴史の本を読んでも、英語以前に読む気が失せますよね。
英語多読を続けるにはこのワクワク感がすごく大事なので、本を選ぶときには「面白そうか?」を大事にしてみてください。
その本は自分のレベルにあっているか?
2つ目の基準は「その本は自分のレベルにあっているか?」です。
これは自分のレベルより高い本をいきなり読むと、わからないところだらけで読むのが苦痛になり、多読を続けられなくなるからです。
いきなりレベルの高い本を読むのは、登山未経験で富士山に登るようなものです。
最初は張り切って登っていても、歩き方を知らず体力もなければ、すぐに下山したくなってしまいます。
なので、まずは簡単に登れる山を登りましょう。つまり簡単に読める本を読むということです。
英検やTOEICを受けたことがある人であれば、以下の公式の対象レベルからレベルを選んでみてください。
レベル | 英語の難易度 | 基本語彙数 | 対象レベル |
STEP1 | 中学1年レベル | 300 | 英検5級 |
STEP2 | 中学2年レベル | 600 | 英検4級 |
STEP3 | 中学3年レベル | 900 | 英検3級 |
レベル1 | 中学中級レベル | 1000 | 英検4級 TOEIC 300~400点 |
レベル2 | 中学卒業+αレベル | 1300 | 英検3級 TOEIC 400~500点 |
レベル3 | 高校英語卒業の一歩手前レベル | 1600 | 英検準2級 TOEIC 500~600点 |
レベル4 | 高校卒業レベル | 2000 | 英検2級 TOEIC 600~700点 |
レベル5 | 大学中級以上のレベル | 無制限 | 英検準1級以上 TOEIC 700点以上 |
ただし個人的には、公式の対象レベルから1つ下のレベルを選ぶことをおすすめします。
なぜなら、1つ下のレベルを選ぶことでスラスラと読める本を選べるからです。
スラスラ読める本を読むことで、英語で本を読めた!という自信につながり、多読で英語力を伸ばしやすくなります。
このため、1つ下のレベルを選ぶと良いですよ。
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その本の物語のあらすじを知っているか?
3つ目の基準は「その本の物語のあらすじを知っているか?」です。
英語で本を読むうえで、その物語のあらすじを知っていると効果的に学ぶことができます。
なぜかというと、わからない単語や表現を推測しやすくなるからです。
例として以下の文を見てみましょう。これは不思議の国のアリスの一文です。
There, on top of the mushroom, was a large caterpillar, smoking a pipe.
そこのキノコのてっぺんにはタバコをふかしている大きなcaterpillarがいました。
Alice’s Adventures in Wonderland(Oxford Bookworms Library)
ここで「caterpillar」という単語がわからなかったとしましょう。
それでも不思議の国のアリスのストーリーを知っている人であれば、キノコの上にいてタバコをふかしているのは青虫だと知っていますよね。
だから「caterpillar」=「青虫」ということが推測できるのです。
このように単語や表現の推測がしやすくなるので、より効果的に学習したい方はあらすじを知っている本を読んでみてください。
ラダーシリーズの本の読み方
ラダーシリーズで効果的に多読をするには
・スラスラと読み進める
・気になる単語や表現があったら控えておく
・つまらなかったら違う本を読む
・読書記録をつける
この4つに気をつけて読むと良いでしょう。
スラスラと読み進める
多読を実践するうえで、「スラスラと読み進める」というのはとても重要です。
理由は2つあって、「本を楽しむため」と「英語を英語で読むため」です。
文法を気にしたり、わからない単語で止まったりすると、本を楽しむことができなくなってしまいます。
そうすると、本を読むモチベーションが下がってしまい、いずれ多読の習慣はなくなるでしょう。
また、スラスラと読んでいくことで、日本語に訳さず英語を英語で読めるようになります。
例えば、「park」→「公園」→「子供たちが広場で遊んでいるイメージ」と頭で変換するのではなく、
「park」→「子供たちが広場で遊んでいるイメージ」というように直接変換できるようになります。
これができると読解スピードも格段に上がりますし、リスニング力もあがります。
場面がイメージできる程度の理解で大丈夫なので、スラスラ読み進めるという意識をもって読むようにしましょう。
気になる単語や表現があったらメモする
多読では「辞書を引かない」というのがルールだったりするのですが、私の場合は気になった単語や表現をメモするようにしてます。
メモした単語や表現について、あとで辞書を引いてみて意味を理解したり、単語帳で復習したりするためです。
こうすることで、頻繁に出会わない単語や表現でも覚えることができますし、なかなか覚えられないストレスから自由になれます。
その点、ラダーシリーズの場合は巻末に辞書がついているので、意味を調べるのは楽にできます。
ただし、メモするのは「気になる」単語や表現だけにしましょう。
「分からない」単語や表現をすべてメモすると、どうしても勉強感が出てしまうので本を楽しむことができなくなってしまいます。
多読でなによりも大事なのが「本を楽しく読む」ということなので、苦痛を感じない程度に「気になる」単語や表現だけをメモしていくのが良いでしょう。
つまらなかったら違う本を読む
面白そうな本だと思って手に取った本が、読んでみると「つまらない」と感じることがあります。
そんな時は、つまらない本を読むのを辞めて、違う本を読みましょう。
多読では、つまらない本を無理して読む必要はありません。
むしろ、つまらない本を無理に読むと学習効率が下がります。
面白いと思って読む本では、積極的にストーリーを理解しようとして頭を働かせますが、つまらない本だと適当に読んでしまいます。
学習密度を高めるためにも、つまらない本は投げて、面白い本を読みましょう。
また、つまらないと感じるのには「英語のレベルが高すぎる」と「ストーリーがつまらない」の2種類あります。
わからない単語がありすぎて「つまらない」と感じる場合は、本のレベルを下げましょう。
逆に「ストーリーが思ったよりつまらない」と感じた場合は、同じレベルの中で違う本を選んでみると良いですね。
読書記録をつける
読書記録をつけるというのも多読のモチベーションを保つのに役立ちます。
必ずやらなければいけないことではないですが、「これだけ読んだぞ」というのが目に見えて分かると自信につながります。
おすすめは読んだ語数を記録していくことです。
ラダーシリーズの公式サイトには、本の語数が公開されているので、読んだ本の語数を記録して積み上げていきましょう。
多読は習慣化が大事
効果的に学習するには、多読を習慣化することが大事です。
なぜなら、多読は長く続けることによって効果が出てくる学習方法だからです。
私は1日で15~60分、多読をすることにしているのですが、
たったこれだけの時間でも50万語に到達するころにはTOEICの点数が2倍になっていました。
どのように習慣化すれば良いか?
習慣化をする上で大事なのが、以下の2つです。
・多読をする場所と時間を決める
・毎日の目標は低く設定する
時間と場所を決める
習慣化するには「時間と場所を決める」のが大事です。
場所と時間を決めることで、多読を続けやすくするのが目的になります。
私もそうですが、人は新しいことに拒否反応を示すもので、
油断すると「あとでやろう」や「今は忙しいから」といった気持ちが顔を出してきます。
場所を固定することで、その場にいると「多読をやろうかな」という気分になる状況を作り出し、
時間を固定することで、読み始めるきっかけを作るのです。
最初は面倒に感じますが、1週間もすればシャワーを浴びるのと同じくらい当たり前に多読をする習慣がついているでしょう。
毎日の目標は低く設定する
また、毎日の目標は低く設定するのも大事です。
始めるのにハードルが高いと、「今日はやめておこう」という気分になってしまいがちです。
私自身、多読を始めたころは「1日1ページ読む」という目標にしていました。
1ページであれば数分で読めますし、始める前の心理的ハードルはとても低かったです。
目標を低く設定していたとしても、読み始めさえすれば結局何ページも読んでしまうので、最初のハードルを低くしておくことは大事です。
これらように、多読を習慣を始めるときには「時間と場所を決める」と「毎日の目標は低く設定する」の2つを意識してみてください。
ラダーシリーズを使って効果的な英語学習を実現しよう
今回はラダーシリーズの効果的な使い方について解説しました。
まとめると以下のようになります。
- 本の選び方
- 面白そうな本を選ぶ
- 自分のレベルにあった本を選ぶ
- (できれば)あらすじを知っている本を選ぶ
- 本の読み方
- スラスラと読み進める
- 気になる単語や表現があったら控えておく
- つまらなかったら違う本を読む
- 読書記録をつける
- 習慣化の方法
- 時間と場所を決める
- 毎日の目標は低く設定する
ラダーシリーズはレベル分けされているので、自分にあった本を探しやすいシリーズで、
初心者でも本を楽しみながら英語力を上げることができます。
今回紹介したような使い方を実践していけば、
英語力を間違いなく上げていけるので、ぜひ始めてみてくださいね。
ラダーシリーズのおすすめ本については以下の記事でまとめているので、
本を探してみたい人はチェックしてみてください。
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